【ご案内】第50回平泉文化セミナー例会の開催について
岩手大学平泉文化研究センターでは、東アジアにおける総合的「平泉学」の構築を図るための一環として、平泉文化セミナーを定期的に開催しております。
今回は、第50回例会として下記により開催しますので、ふるってご参加ください。参加費は無料です。
記
1.日時 2019年7月30日(火) 17:00~18:30
2.場所 岩手大学教育学部1号館2階 E25講義室
3.内容
発表者:楊文勝氏、河南省文物考古研究院副院長・岩手大学平泉文化研究センター客員教授
演題:「僭越」と「崩壊」の礼制の本質―考古学から見た春秋戦国転換期における社会形態―
概要:中国古代文化の核心となる礼制は、礼儀礼節・宗法論理・身分等級の三つをその内容として、礼制発展の高峰の両周期における上層社会では、道徳の規範と生活生産の行動様式であり、社会の階級と秩序を保つ柱でもある。特に、社会転換期の春秋戦国期においては、周王の権利が喪失したことで、周礼はことさらに等級の秩序及び社会の安定発展に重要な役割を担ってきた。しかし、これまで大半の東周史及び礼学の研究は、春秋戦国期の礼制「崩壊」に着目して諸侯と卿太夫を代表とする貴族階層の「僭越」行為による礼制の破壊を強調している。そこで、本発表は、最新の考古資料から考察することにより、春秋期は礼制の最も成熟した時期であり、いわゆる「崩壊」が存在しなく、また「三礼」に見える周礼が春秋期における礼制文化の歴史的真実であろう、などのことを明らかにする。
本件に関する問い合わせ先:
平泉文化研究センター
019-621-6529 ryukaiu@iwate-u.ac.jp