岩手大学平泉文化研究センターでは、東アジアにおける総合的「平泉学」の構築を図るための一環として、平泉文化セミナーを定期的に開催しております。
今回は、第41回例会として下記により開催しますので、ふるってご参加ください。参加費は無料です。
記
1.日時 平成30年5月30日(水) 17:00~18:30
2.場所 岩手大学教育学部1号館2階 E22講義室
3.内容 発表者 大石 泰夫氏、盛岡大学文学部教授・当センター客員教授
演題:「蘇民祭のコマ木と剛卯と」
概要:岩手県南地方には、旧暦の年頭行事として蘇民祭が伝えられる。平泉においても、「延年の舞」で有名な「毛越寺二十日夜祭」にも、蘇民祭の要素が伝えられ、寺院としての「修正会の結願行事」に蘇民祭が集合したものと見ることができよう。この蘇民祭という祭礼だが、その実態がよくわかっていない。蘇民将来を祀る行事はよく知られているし、関西では年頭に蘇民将来の護符を玄関に祀る民俗があり、夏越(六月三十日)の呪物としても蘇民将来に関わる茅の輪などが用いられている。そして、岩手の蘇民祭に伝わる「コマ木」という呪物が伝わり、これは全国の蘇民将来に関わる祭りに散見される。この「コマ木」と形状が似ているのが、古代宮廷儀礼の初卯の祭りに用いられた「卯槌」である。この「卯槌」は民間の呪物としても、今日に伝承が確認できる。この「卯槌」とあわせて「卯杖」というものが伝わり、その元になるものが中国の「剛卯」とされている。蘇民将来の伝説は、中国伝来の伝説とされるが、どうもその呪物である「コマ木」も中国の「剛卯」と脈絡がありそうである。本発表では、そうした諸相を報告しつつ、蘇民祭に伝わる「コマ木」の信仰を明らかにする。
4.問合せ 平泉文化研究センター事務局
(〒020-8550)盛岡市上田三丁目18-33
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E-mail ryukaiu@iwate-u.ac.jp
本件に関する問い合わせ先:
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