第18回平泉文化フォーラムが開催されました
第18回平泉文化フォーラムが平成30年1月27日(土)・28日(日)に一関文化センターに於いて岩手大学平泉文化研究センター等の四機関の共同主催で開催され、延べ350名が参加しました。
初日は、主催者側として岩手コンソーシアムを代表して岩渕明岩手大学学長、高橋嘉行岩手県教育委員会教育長、開催地の小菅正晴一関市教育委員会教育長がそれぞれあいさつを行いました。引き続き西山良平京都大学名誉教授から、「平安後期の京都と開発・再開発 ―平泉を遥かに望む- 」と題する基調講演をいただきました。
続いて、岩手県教育委員会及び平泉町教育委員会からそれぞれ柳の御所及び無量光院についての発掘調査の成果報告を行いました。さらに、本学の劉海宇教授(平泉文化研究センター)が、「五代・両宋期における金銀字経及びその政治的意義-東アジアの視点から見た中尊寺の金銀字経」と題し、中国唐末から両宋期における金銀字経及び金銀字一切経の事例を紹介するとともにこれら金銀字一切経の持つ政治的意義について検討しました。また本学の會澤純雄准教授(理工学部)及び徳留大輔客員准教授(平泉文化研究センター)が、「ポータブル複合X線分析による白磁と青磁の胎土分析(その3) —中国および平泉出土資料の比較検討—」と題し、福建省福州市周辺で生産された白磁と浙江省龍泉窯で生産された青磁、及び平泉遺跡群で出土した中国産陶磁器の胎土成分の分析を通して、平泉出土の中国産の白磁・青磁の産地についての検討結果の報告を行いました。
二日目には、奥州市教育委員会・一関市教育委員会がそれぞれ接待館及び骨寺村についての発掘調査の成果報告を行うとともに、佐藤健治氏(文化庁文化財部)から「国府関連施設との比較による平泉の位置」、荒木優也氏(國學院大學)から「壺のいしぶみ外の浜風-西行が地名を詠む意味について-」という二つの共同研究発表が行われました。平泉についての最新の研究成果を聞くことができる充実した2日間のフォーラムとなりました。