遺物、出土品を探索する科学(考古学と自然科学の融合)
平泉文化研究センターでは、理系的側面から歴史・考古学にアプローチをするため
分析装置や三次元計測装置を導入しています
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X線回折装置
どんな物質でできているかをX線回折パターンで探索します
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分析でわかる事
遺物、出土品の化学構造、化学種の情報を知ることができる分析機器です。文化財資料や考古学資料等を持ち出すことなく“その場分析”を行いつつ、かつ非破壊な分析が可能です。
たとえば鉄酸化物である酸化第一鉄(FeO)と酸化第二鉄(Fe2O3)を見分けることができます。 -
測定方法
X線回折装置は分析試料にX線を照射することにより、試料中の結晶や鉱物の情報を得ることができます。
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ポータブル複合X線回折装置
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蛍光X線分析装置
元素分析により元素の種類と濃度の探索を行います
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分析でわかる事
遺物、出土品にどのような元素をどのくらい入っているかといった元素情報を知ることができる分析機器です。
固体を構成する元素の種類と濃度がわかります。X線回折装置と組み合わせれば、大抵の物質の正体が突き止められます。 -
測定方法
蛍光X線分析装置は分析試料にX線を照射することにより、非破壊試料を対象とした定性分析と定量分析ができます。
スクロールできます→
場所 サンプル名 Al Si K Ti Fe Mg P S Cl Ca V Cr Mn Ni Cu Zn Br Rb Sr Zr Rh Pd Ag 夕 3号窯 カメ Ⅱ-1-2 6.80 47.62 3.42 0.77 8.46 31.29 1.27 0.36 大アラコ2号窯 カメ Ⅱ-2-3 8.64 45.43 4.37 1.67 10.84 0.81 0.25 25.13 2.50 0.08 0.29 0.00 鴫森2号窯 カメ Ⅲ-4-5 10.83 53.21 4.69 0.97 7.06 1.18 19.90 1.16 0.20 0.10 0.70 笹尾15号窯 Ⅳ-3-5 10.94 47.64 8.38 2.05 12.39 16.18 1.27 1.13 法蔵寺1号窯 カメ Ⅱ-3-1 10.33 50.78 5.44 1.88 12.06 0.37 0.28 0.97 16.07 1.61 0.05 0.13 0.00 笹尾15号窯 Ⅳ-3-4 7.53 59.98 4.34 1.70 10.68 14.03 1.16 0.57 0.00 鴫森2号窯 カメ Ⅲ-4-1 11.70 57.26 5.15 1.31 10.41 12.89 0.41 0.17 0.71 惣作11号窯 Ⅲ-1-5 7.40 56.44 7.08 2.40 11.78 1.15 12.82 0.70 0.23 0.00 大草 平松4号窯 山茶碗 Ⅲ-2-9 9.54 57.03 7.55 2.08 9.67 0.56 0.84 11.24 1.18 0.10 0.09 0.11 0.00 鴫森2号窯 カメ Ⅲ-4-3 12.86 60.05 5.38 1.20 9.94 9.27 0.50 0.10 0.08 0.63 黒川 古窯 山茶碗 Ⅳ-1-10 c 74.83 6.20 2.07 7.44 7.66 0.45 0.04 1.32 黒川 古窯 カメ Ⅳ-1-4 13.48 65.02 4.27 1.95 6.66 7.15 0.61 0.13 0.74 夕 3号窯 カメ Ⅱ-1-5 7.66 66.66 3.97 1.87 12.32 6.94 0.58 鴫森2号窯 カメ Ⅲ-4-4 16.38 60.88 6.93 1.46 7.72 5.59 0.26 0.09 0.69 夕 3号窯 カメ Ⅱ-1-1 17.22 58.34 5.81 1.72 11.00 5.48 0.34 0.09 笹尾15号窯 Ⅳ-3-1 15.50 65.03 4.49 1.35 7.50 5.34 0.19 0.07 0.53 黒川 古窯 山茶碗 Ⅳ-1-10 75.95 7.70 2.77 6.93 5.18 0.30 0.03 0.21 0.93 -
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デジタル顕微鏡
拡大観察により視覚的に探索します
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分析でわかる事
出土品の表面や微小な物体を視覚的に拡大し、肉眼で見える大きさにして微細観察することができます。
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測定方法
固体試料をそのまま観察できます。
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3Dレーザースキャナ
遺跡や遺構・文化財を高速かつ高精度でデジタルデータ化します
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計測でできる事
遺跡や遺構・庭園・文化財などをデジタルデータに変えることで、その形状や地形を将来につなぐことができます。
また、このデータは三次元化できるため、計測したものをディスプレイ上で仮想的に再現することができます。 -
測定方法
3Dレーザースキャナは、遺跡等の計測対象物に対しレーザー光を発信し、跳ね返ってきた信号からその距離や方角を認識します。
認識したデータは点状態の座標値として記録されます。対象物全体をあらゆる角度から計測するため、多くの座標値で表現されることから、計測後のデータは【点群データ】と呼ばれます。
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