意訳
(夏草が勢いよく茂っているなあ。ここは武士達が武器を取り、夢や野望をいだいて戦い、確かに生きて、そして死んでいった、その跡だ。)
(書き下し文) 杜甫(712年~770年)
国破れて山河在り
(国の都は戦乱で破壊されたが、山河はもとのままあり、)
城春にして草木深し
(都長安の町の城壁の中は、春となり草木が茂っている。)
時に感じては花にも涙をそそぎ
(戦乱のこの時に感じるのは、美しい花を見ても涙が流れ、)
別れを恨んでは鳥にも心を驚かす
(家族と別れた恨みで、楽しい鳥の声や姿にも心怯える。)
烽火三月に連なり
(空見上げれば戦争を知らせる狼煙の煙は三か月(三月説も)も続き、)
家書万金に抵る
(手元にある家族の安否を知らせる白い手紙はお金に代え難い。)
白頭掻けば更に短く
(家族のために何もできない不安や嘆きで白髪頭を掻きむしれば、)
渾べて簪に勝へざらんと欲す
(冠の簪も刺さらず役人としても父としても無力だ。)
「卯の花に 兼房見ゆる 白毛かな」曾良
(1896年~1933年)の詩は、芭蕉とは違う、地元 岩手の青年の視点です。
『中尊寺』の詩の意味
七重の舎利
(仏陀の遺骨(ここは藤原四代の御遺体か)を納めた小塔(金色堂か)に
蓋をするように輝いている緑色の蛍の光のような燐光。
大盗賊は銀色の帷子(銀製の防御用の鎖帷子か)を身にまとい、
拝んですぐに(仏像や仏具を盗もうとして)膝を立てた。
炎のような真っ赤な目玉は丸く大きく見開かれ、
つっぱった両肱は光り輝く。
ついに手を触れられなかった舎利の宝塔、
大盗賊は礼拝をして消えてゆく。 )
・この詩の「大盗」の解釈については以下の諸説があります。