西行
(1118年~1190年)は平安時代末期から鎌倉時代初期の歌人の僧です。京都の鳥羽院に仕える佐藤義清という文武両道の北面の武士でしたが、23歳で出家し、僧西行となりました。四国から東北まで何度も旅をしつつ、源平合戦で元の仲間の武士たちが殺し合い傷つけ合う中で、武器を捨てて筆を取り、花や月を愛してこの世に生きる喜びや、生きる証の歌を詠み続けました。奥州藤原氏の同族である西行は、26歳頃と69歳頃の二度平泉を訪れています。平泉で詠んだ「ききもせず」の歌も、若い頃に武士をやめ武器を捨てて出家した西行の「ここにも花(桜)を愛し、平和を愛する人々がいて、美しい花を咲かせているなあ」という、驚きと喜びの心を表しているようです。